IGLA2・キーレスブロック・コンパス4G(ヴェルファイア)

神奈川県 からお越しのS様、トヨタ ヴェルファイアHEVエグゼクティブラウンジ へのカーセキュリティ施工でご来店いただきました。(お客様の承諾をいただいて掲載しています)



S様は お車の納車に合わせて、既に他店さんでカーセキュリティを施工されていました。

その構成は、パンテーラZ706、MCアダプタ(スマートクロス 純正キー連動)、オーサーIGLA2+、キーレスブロック、コンパス4G、前後ドラレコ、駐車記録用バッテリーetcという フル装備。

しかしながら、他店さんで施工したこれらの製品 すべてに不具合があり、全撤去した上で当店で施工し直したいとのご依頼でした。



 症状の概略を列挙すると、

・誤報によるサイレン発報

・アンテナ・キーフォブ類 電波不良

・エンジン始動不良

・ドア・トランク類の動作異常

・サイレンが丸見え・セキュリティ本体がすぐ発見できる場所にある

などなど、とにかく すべてがダメ とのことでした。



電話・メールで打合せを重ねる中で「色々着けすぎると 予算も増加する上、不具合原因のリスクも増えるで 要点を絞ってシンプル化」も提案しましたが、S様のご希望により ほぼ同じ内容で施工し直すことにしました。



施工は数ヶ月前に完了していますが、当時は作業予約も立て込んでいたので、全てを一度に施工するには 施工待ち期間まで相当な期間が空いてしまう。

そこで、まずは第1期施工として Author製品(IGLA2+、KeylessBlockPRO+、Compass4G)のみ施工することとしました。




手軽なセキュリティとして 人気の高いAuthor製品ですが、その特徴は 小型化された製品・車両CAN-BUS接続によるデジタルセキュリティであることが挙げられます。(上の写真はIGLA2)

「電源と信号線を接続すれば 誰でも施工できるから、どこで施工しても同じ品質」と思われがちですが、実際は そんなに単純じゃない。



最近 別のお客様から聞いた話では、IGLA2が搭載された車両で セキュリティ突破された事例が 某動画サイトで紹介されていたとのことですが・・・

まず大前提として CAN-BUS(車のネットワーク)配線は、車種ごとに どこを通っているかが決まっています。


一昔前なら「トヨタ車でCANインベーダーされる場合、左ヘッドライト下の配線が狙われやすい」という具合に「窃盗犯は ”目的の配線がどこにあるか?” を熟知している」と考えて間違いありません。 それは、車外だけでなく 車内配線も同様です。




IGLA2本体の製品写真を見ると、配線が30cm程度しかないのがわかります。

この製品の配線を 一切延長せず ”ただ取付けただけ” だと、CAN-BUS配線のカプラー付近を探せば セキュリティ本体や結線場所を容易に発見できてしまいます。

”車内のどこか” という範囲で探すのと、”〇〇から半径〇〇cm以内” と 範囲を限定して探すのでは、難易度が全然違うのは想像できますよね?



また 製品本体には アンテナも内蔵されているので、”施工者にとって作業が簡単な場所への設置” は、”アンテナ感度の悪い場所” であることがほとんどです。


当店では ”製品の性能を最大限発揮できる場所” へ設置するため、多くの場合は 他店の2倍近くの手間と時間を要しますが、それだけで性能差が大きく違います。





ここまでは、ざっと ”製品の据付場所” の話。

以下は、車両側配線に接続する際の ”結線ポイント” の話。


セキュリティを扱う 多くのショップでは、カプラーのすぐ近くに施工します。(写真はイメージです)

その方が、目的の配線を見つけやすいし 施工も楽だから。


DIYやカー用品店・ディーラーオプションなどで、赤丸付近にエレクトロタップで結線するケースをよく見かけますが、あまりカプラーに近すぎると 万一 断線した時に補修が困難になることは容易に想像がつきます。



まして、カーセキュリティの配線は 見つけられたら すぐに無効化されてしまうもの。

いくら半田付けで施工していても、こんな丸見えのポイントでは すぐに切断されてしまう。




同じ線に結線する場合でも、被膜チューブを剥いた緑丸部分で結線すれば、目的のカプラーを外されても セキュリティ配線を見つけることが困難になり、被膜チューブの中に線があるとわかっていても、切断するまでに 余計なひと手間がかかります。


当店の過去記事の中で「なるべく奥で結線する」と、サラッと書いてあるのは ”例えば” こういうことです。



念の為に補足するなら、配線の向きは 緑矢印の通りです。

桃矢印のように配線してしまえば、セキュリティ配線の秘匿性が失われます。





そして 写真のケースでは、被膜チューブ付近は もともと緑丸のようなクリップで固定されていたので、同じように復元します。


つまり、窃盗犯が 当店のセキュリティ配線を発見・切断するには、

① 結線されている信号線のカプラーを外す

② パッと見でセキュリティ配線を発見できないので、固定クリップを車体から外してみる

③ 配線束からクリップを外し、ハーネスの被膜チューブを剥いて、ようやく発見できる

という面倒な手順を踏んだ上で、セキュリティ無効化にチャレンジすることになります。

(実際は 窃盗犯にそんな時間がないので、諦めていただくことになるのですが)




また、ハーネスチューブの中で結線する もう一つのメリットは、半田付け箇所が 固定されてブレないということです。

クルマの配線は 走行中の振動や衝撃を受けるだけでなく、整備やカスタム施工などによってカプラーを外されたり 動かされたりするものです。


整備時にハーネスを無理に動かされたり引っ張られたりしても、クリップを外さない限り 半田付けされた箇所は動きません。

当然、ハーネスを動かされても支障ないように半田施工していますが、無理な力を受けないに越したことはありません。

施工品質は ”〇〇さえやっておけばいい” というわけではなく、複合的に安全対策を行うことによって担保されます。(ハンダ施工に関する記事は こちら



とはいえ 何事もやりすぎは禁物なので、実際の車両状況を見て 何をどう施工するかを判断します。



例えば、一つのセキュリティ製品の配線の中にも 重要度に差があるので

・配線の重要性(切断されたらどうなるか?)

・全体の警備計画(一つのセキュリティを解除されても、それで終わりかどうか)

・車両側の施工のしやすさ(既設品の施工状況含む)

・メンテナンスや補修の必要性(後で外すことが想定されるなら、あまり奥で施工してしまうと後が大変)

などなどを総合的に勘案して、どこで結線するかを考えて施工します。



こちらの記事 は 昔の施工事例ですが、カーナビやドラレコなど 比較的短いサイクルで買い替えが想定される製品なら、配線を隠すより 必要な時に探す手間がない方が望ましい。

これらの製品は、カーセキュリティと違い 整線さえキレイにしていれば 配線を隠す必要はありません。

またディーラーやカー用品店などでも扱っている製品なら、他所で買替え・施工を行うことも想定し、施工の難易度を一般レベルに合わせておく方が 後年の作業者がスムーズに施工できます。







結線ポイントの話だけで長くなってしまったので、その他の話題については割愛しますが、S様が当初抱えていた 同製品に関する不具合は一掃され「同じ車種・同じ製品を施工したのに、こんなに違うのか」と驚いていらっしゃいました。



今回施工した IGLA2・キーレスブロック・コンパス4Gは、いずれも「メインセキュリティを支える補助的なセキュリティ製品」ですが、メインセキュリティを施工するまでの間は S様の愛車を守る 重要な手段です。

・キーレスブロックによって、リレーアタック・キーエミュレーターを未然に防ぎ

・IGLA2+によって、エンジン不正始動(乗り逃げ盗難)を防止する。

・レッカー盗難などに遭っても、コンパス4GでGPS追跡を行う。


3製品の突破を企てられることを想定すれば、本体は それぞれを ”分散させて” 設置するのが望ましい。

そして 本体だけを分散させても、電源取得ポイントが一箇所に集中していれば 文字通り ”一網打尽” で無効化されてしまう。

それらの懸念も想定しながら、各製品が性能発揮できるよう 最適なポジションに設置する。

カプラーは外される(誰が整備するかわからない)し、セキュリティ製品は攻撃される(城は攻められる)前提で施工しています。



施工が簡単なAuthor製品で これだけの奥深さがあるのだから、もっと複雑な製品は もっと大きな差になるのは当然です。

この数ヶ月後に 第2弾のメインセキュリティを施工しましたが、その話は別の機会に。

当店は『完全予約制』です。 アポなし訪問や予約のない電話相談は対応できません。
施工には相互の信頼関係が不可欠です。 自己中心的な方は当店の利用をお控え下さい。