地デジ受信感度の不良原因あれこれ
※ ボリュームが多いので、かいつまんでのお話です。
過去記事を見て 当店へ問い合わせいただくことの多い地デジ感度不良ですが、中でも多いのが「何が原因ですか?」「いくらで改善できますか?」という質問。
気持ちはわからなくはないですが、見てもないものの原因はわかりません、原因がわからないのに対処方法はわかりません、対処方法が分からないのに金額はわかりません。
人が病気に罹った時、病院で検査をして 診断して 医師が治療法を考えるのと同じように、いきなり手術や投薬はしないでしょう。
原因は多岐にわたりますが、そのうち いくつかの事例だけご紹介します。
【フィルムアンテナが外れかかっているケース】
別件入庫したお車とかで よく見かけますが、この程度の誰にでもわかる事象なら わざわざ当店に問い合わせたりしないでしょう。
【アンテナの問題が疑われるケース】
パット見では アンテナに問題がない場合でも、新品アンテナを仮接続すると受信感度に変化がある場合があります。
その場合は フィルムアンテナ〜アンテナケーブルの問題なので アンテナ&ケーブル交換となります。
地デジの感度が悪い場合、むやみやたらにブースターで受信電波を増幅させたり、アンテナにシールドを巻く人がいますが、上記検証で変化がないなら アンテナ以外の原因が多いです。
「言われてみると、少し変わったかも?」程度の微妙な結果になる & 下の写真のようなグチャグチャ度がエスカレートするというオチが見えます。
【不具合がある = もれなく配線がグチャグチャ】
新車購入時、ディーラーオプションのカーナビを取付けたAさん。
1年近くディーラーさんで あれこれと対応してもらったが、全く改善しないので 当店にて改善施工を行いました。
知り合いの整備工場で 市販ナビ&フリップダウンモニターの持込取付を依頼したBさん。
地デジの感度が悪い&モニターの動作不良(つまり そのお店で施工したモノは全てダメ)で入庫。
アンテナやハーネス(配線束)を新品交換し 当店で施工し直した結果、全て改善しました。
最初から信頼できるショップで施工していたら 何の問題もなかったはずですが、Bさんにとっては痛い出費となりました。
【ユニットの基盤不良が起きていたケース】
赤丸で囲った部分の 手前2箇所がハンダ割れしていたので、怪しいところを全てハンダし直し。
通常 ユニット基盤がハンダ割れすることは稀ですが、不適切な施工によって配線が引っ張られたことが原因です。
コネクタが抜けただけなら 差し直しで済みますが、この場合はコネクタが抜けず ハンダ部分に過度な力が加わったようです。
過去、コネクタ抜け対策について触れた記事 がありますが、「コネクタが抜ける=配線が引っ張られても基盤損傷を防ぐ」というフェイルセーフの意味合いがあると考えれば、やりすぎは禁物。
上記リンク先の記事では「配線の振れを防ぐこと」を目的としているので、強く引っ張れば コネクタが抜けるようにホットボンドを使用し、記事で触れていない場所で コネクタ強化に対するデメリットを軽減する措置をとっています。
※ 当店の施工を真似してドツボにハマる人(プロアマ問わず )が多いのは、記事に書いてある以外のことを考えないからです。
実際には 記事でフォーカスしているのは全体の中の一部分で、別の場所で別の処理をしていることがほとんどです。
【直接原因以外にも車を傷めているケース】
これも、不具合を抱えた車によくあるケース。
クリップが正常にハマってないのに、無理矢理押し込んだのでしょう。
2箇所しかないクリップが2つとも破損・・・これではパネルを固定できません。
事例を挙げればキリがないので ざっくりと 数個の事例だけ紹介しましたが、どれもこれも他店で色々と対策をしたけれど 一向に改善せずに当店に入庫した車ばかりです。
いくら対処療法を繰り返しても 不具合の根本原因を突き止められなければ、「たまたま症状が発生しないだけで、不具合原因は存在し続けている」可能性が否定できず「時間が経てば 再発する」確率も高くなります。
なお 当店はカーセキュリティ店ですので、現在 カーナビはカロッツェリア製品のみ お取扱いしております。
当店でカーセキュリティを施工した人の中には「もう 他店で自分の車を触らせたくない」というお客様がいらっしゃるので、そういう人に向けたサービスとして「一番スタンダードなカーナビだけ」限定対応している次第です。(決して他社製カーナビがダメと言う意味ではありません)
また、ここで挙げた事例は たまたまタイミングが良かったのでお引受けしましたが、基本的に 他店で施工したものの改善業務はお断り しております。
カーナビなどの電装品は素人でも施工できますが、どこか一箇所だけでも不適切な施工があれば、本来の性能を発揮できなくなります。
施工不良というほどでもないけれど 何となく調子悪い、東洋医学で言う「未病」のような車の方が「健康な状態」よりも多いものです。
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