ハイラックスGUN125 ガッツミラーレス

神奈川県からお越しのM様、ハイラックスGUN125 後期をガッツミラーレス仕様にしたいとのことで、フロント・サイドカメラシステムをインストールしました。



(お客様の許可をいただいて掲載しています)




「ハイラックス カメラ」などのキーワードでネット検索すると、当店の 過去記事 や動画が上位に表示されるようです。




過去の動画はこちら↓




公開当初から 評判も良かった反面、「やり方を教えて」とか「どこのカメラを使っていますか?」と 機密情報までしつこく聞いてくる人が後を経たず(プロ・アマ問わず)、その度に仕事の手を止めて「お断り」の対応をするのも 時間や集中力のロスが激しいので、当店が行ってきた「カメラ選定方法の一部」をお伝えしましょうか。


※ 一応 お伝えしておきますが、わからないことをショップに問い合わせるのは当然のことですし、ショップ側は 可能な限りわかりやすく回答するのも仕事のうちです。

問題は「企業秘密も構わず聞き出そうとする」ということです。

(そういう方は、お断りしているにもかかわらず 何度もしつこく聞いてくる)


分別ある方には、全ての質問がダメでないことはご理解いただけると思いますが 念のため。







採用ユニットや部品類の選定にあたり、実際に何機種か取り寄せて「お客様の車への施工に相応しい製品か」を検証しました。

研究開発費を惜しまず いいものを作る気概のある方は どうぞ参考になさってください。

ちなみに私は バックカメラがまだ高価だった2000年頃から、必要がある度に 同様の比較検証を繰り返してきました。(当時は普通のDIYユーザーでしたが、内容の根本は ほとんど変わりません)





【カメラ選定における 主な検証項目】

① 見え方:画像の精度・撮影範囲・夜間視認性、その他「ガッツミラー」の代替品として車検をパスできるか。

② 防滴性:車外に設置するので、雨や泥はねなどで水滴が混入しないか。中には霧吹きで水を吹きかけただけで故障した製品も存在します。

③ 長時間稼働:長年に亘ってお使いいただくのに製品の安定稼働は不可欠です。長時間稼働時の発熱具合などを確認。


たった3項目のテストをしただけで この先の検証に進む価値の有無が見えてきますが、「信用に欠ける製品」を施工して、のちに不具合が発生すれば お客様が困ることは容易に想像できると思います。

そしてショップ側も 施工時の余計な手間(低品質なものは何らかの是正対策を余儀なくされる場合が多い)や その後のクレーム対応に余計な時間を費やされるというデメリットの方が多いものです。

特にサイドミラー埋込型カメラのように「お客様の愛車に穿孔・切削加工」するような場合は、純正部品の賠償が発生するリスクもあるので、粗悪品に関わらないことは お客様の為だけでなく 当店の自己防衛も含めた「相互利益」の為です。



原材料の選定や、各種分析・研究をしてから 制作・開発行為を行う産業は 社会にはたくさんあります。

近所のラーメン屋さんは 試作せずにぶっつけ本番でスープを作っていませんよね?

注文したラーメンがテーブルに届けられるまでには、そのお店がメニュー開発に 膨大な時間やお金をかけてきた歴史があるものです。



どんな職種にも企業秘密はあるものですが、「〇〇を教えて」と軽々しく言える人は「そのお店が費やしてきた見えないコスト」を想像できないから、一杯のラーメンより お店のレシピや仕入れ材料など「情報やノウハウ」の方が価値が低いと思ってしまうのでしょう。

他人様の価値観にまで口出しする気もありませんし、仕事なのでブチギレたりすることはありませんが、ビジネスの原理原則が守られない以上 丁重にお断りするしかありません。




盗用による技術価値の低下や、無理筋な要求への時間・労力の流出を阻止できれば、その分 当店に依頼して下さるお客様への品質向上に より多くのリソースを集中できます。





当店のカメラシステム Ver3.0 のスイッチ部はこんな感じです。

(直上の写真、下段右2つがカメラ関連のスイッチ、映像はナビ画面に映し出されます)



お客様からお金をいただくなら 金額に見合う価値を提供するのは どんなビジネスでも基本です。(そうじゃない企業は山ほどありますが、他所は他所 ウチはウチ)



お客様は「当店で購入するのが得だ」と判断したから、同業他社が近所にあっても 他に安いお店があっても 当店を選んでくれるわけで、「あの店を選んで良かった」と感じていただくのが望ましい。

もっとも やってることがわかりにくい世界なのですが、それでも「使っていて 別に問題ないですけど?」という最低ラインは外せない。

一般の人が 普段の生活の中で技術の良し悪しに気付くのは、不具合・不都合が起きた時です。




当店は、よく「こだわってる」と言われますし その自覚もありますが、世にある「こだわり」は 全て「その人が 並以上のコストと引き換えに手に入れた」トレードオフの結果です。



コストの中身は お金・時間・労力など さまざまですが、「トレードオフを受け入れた 責任ある大人のこだわり」と「いいものが欲しい けど その代償は払いたくないという聞き分けのないワガママ」は 明確に区別しています。






さて、ふりだしに戻って 今回ご依頼いただいたM様のお車。


「ノーマルのメッキミラーではなく、別グレードに採用されている無塗装樹脂ミラーにしたい」とのことでしたので 予め純正新品ユニットを送って下さいました。


ん〜〜〜、こだわってますね〜〜〜



原則、当店では持ち込み品の取付はお断りしていますが、どうせ左ミラーは取り外して加工するわけですし、持ち込む部品は純正新品だし、右ミラー交換費用はきちんといただけるわけですから 断る理由もないです。


その上で、M様が依頼時におっしゃっていた

・「部品手配でお店の手を煩わすのは迷惑では?」とか
・「事前にカメラを仕込んだ方が段取りがいいのでは?」とか

それは こだわりではなく、当店に対する配慮の領域。


お洒落な人が、飲食店の雰囲気に合わせて靴を選び、同伴者の為にジャケットを羽織るような、「カッケー」とは また違う質感のカッコ良さを感じます。



M様、いつも当店をご利用いただき ありがとうございます。

M様の「こだわり」は大歓迎ですし、当店も稚拙ながら 技術力が追いつく限り尽力させていただきます。