ちょっとキケンな配線

こんにちは、いかがお過ごしですか?




カーナビ・ドライブレコーダーなどの取付けは、ディーラーや量販店など

中にはDIYで作業される方も多いでしょう。

そして、その中にはキケンな配線というのもよく見かけます。

今回は、ある作業で入庫したお車で「これは危ないなぁ」という事例があったので少しご紹介します。






下の写真は作業前、電線がペダルにかかりそうなのがわかりますか?


中を覗いて見ました

この配線の何が危ないかというと・・・

①ペダルに線が掛かっている

②ということは アクセル や ブレーキペダル に 線が絡まる可能性がある

③すると アクセルが戻らなくなったり ブレーキが踏めなくなる可能性がある


運転中にブレーキが効かなくなったら・・・怖いですよね。。。

でもまあ、滅多にそんなことあるはずが・・・





気を取り直して、赤/黒の線を拡大してみます。

アクセルペダルの根本に接触してグリスが付着していました・・・

ということは、結構ガッツリ接触していたようです。



ここは可動部分なので、長期に渡ってコードが擦られると皮膜が破られて

電線の芯がむき出しになる可能性もあります。

クルマの電気は「ボディーアース」と言って、

・+の電気は バッテリー から 電装品ユニット に直接流れています。

・−の電気は 電装品ユニット から【車体の金属部分を通って】バッテリーに流れています。

なので、プラス線が断線して 車体に接触すると・・・ショートします。

よく「クルマのバッテリーはたった12Vだから大したことない♪」なんて耳にします。

単純に、家庭用の100Vと比べたら約1/8の電圧ですから、そう思うのもわかります。

(本当は14Vくらいあるのですが)

が、12Vでもショートすれば結構な火花が散りますし(←若い頃、やらかしたことがあります)

数分間ショートさせれば、車両火災させるには十分な発熱量があります。

それともう一つ・・・多くのクルマには「ガソリン」という危険物が積載されていますよね?

ガソリンは多少の火花でも引火しますし、もし引火すれば火災ではなく爆発します。

そういう意味では、100Vの住居火災より 12Vの車両火災の方が危険かもしれません。

配線の状態を気にされていたオーナー様からは、既存配線の見直しも依頼されていたので

お客様が危険な目に合わないように整線します。

赤/黒 の配線は、センターコンソールを通って シート下のユニットに繋がれていたので

ペダルを跨がない配線ルートに変更し、ペダルとの摩擦によるショートを防ぎます。

シート下のカーペット切れ目からコードを出せば、配線はほとんど見えません。




ペダルなどの可動部分を跨ぐ場合は、干渉しない場所にしっかり固定させます。

下のBefore&After写真では、依頼された取付作業の配線が10本ほど追加されています。

きちんとした配線は、手間も時間もかかります。

そして、そのメリットは計り知れません。