バッテリーのあれこれ
みなさん こんにちは。早いもので 今年もあとわずかです。
そして、毎年 寒くなるとバッテリーに起因するトラブルが増えてきます。
(今年は 特にバッテリーに関する問い合わせが多い)
当店で作業する際は バッテリーを充電しながら作業する事が多いのですが、バッテリーがギリギリの状態で入庫されることもあります。
これはバッテリーテスターで測った様子。
左上のSOHというのがバッテリーの健康状態、その下のSOCが充電状態。
このケースでは 98%充電されていて 電圧は12.65ボルトありますが、バッテリーそのものの健康状態が59%です。
単純計算で 新品(SOH 100%)時 かつ 満充電(SOC 100%) を100点満点とすると、
SOH 59% のバッテリーを 満充電(SOC 100%)しても 結果は59点ということです。
バッテリーというのは、使っているうちに内部抵抗が増えたりして 電気を蓄える力 や 出力できるパワーが衰えてきます。
上の写真で R=10.38mΩと表示されているのが内部抵抗値。
このバッテリーは 定格370CCA(コールドクランキングアンペア)に対して、285CCAしか出ていない状態。
バッテリー規格は 40B19R や 75D23L のようなJIS規格で言われるのが一般的ですが、それは日本国内だけの話。
世界的には、バッテリーの基本性能は 上述の CCA(コールドクランキングアンペア:寒い時に放電できる電流量) と AhやHR(電気を貯める容量)で示されるのが普通です。
それに従って、公正に性能比較すると、、、
もしかしたら人気商品が 本当はイマイチだったり、安いと思っていた製品が 実はコスパが悪かったりするかもしれません。(どの製品が どうとは言わないけど)
さて、小難しい話はこれくらいにして こちらはテスターで測るまでもなくアウトの状態。
充電器を外すと、すぐにバッテリー残量が減ってきます。
バッテリーの交換サイクルはメーカー推奨で2年毎ですが、バッテリー端子が錆びたり腐食している場合はすぐに交換した方が無難です。
こちらのバッテリーは、2ヶ月前に交換したばかりのようです。
パッと見で大丈夫だろうと思いながらも、一応充電器だけは繋いでおく。
すると、バッテリー残量は低レベル。
「あまりクルマに乗っていない」というオーナーさんの話から「一応念のため」と考えておいてよかった。
当店に入庫した直後で この状態ですから、2〜3日クルマに乗らなかったら どんな結果になるやら。
テスター計測はしていませんが、バッテリーの健康状態(SOH)は100%に近い状態だけど SOC(充電量)が低い状態だったようで、こういう状態は 新品でも起こります。
満充電でメーカー出荷されても、流通経路や店頭に並んでいる期間が長ければ、それだけ充電量が減るのは当然です。
ベストなのは、フレッシュな新品バッテリーを入荷し、バッテリー交換の前日などに 再度 満充電の状態にしておく。
ただし、急速充電はバッテリーを劣化させるので「弱火でコトコト」が基本です。
数値化すると100点満点を目指したくなるところですが、新品状態でもオール100点が表示されることは稀です。(簡単に100%表示するようなテスターは、逆に信用できない)
実際には車両にセットした状態で、上の写真程度でしょうか。
SOH・SOC 共に100%付近、電圧は13Vを大きく上回っており、これなら安心してお客様にお引渡しできます。
バッテリーなんて 誰でも知っている消耗品ですが、意外と「知ってるつもり」に陥りがちな製品です。
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